息ができない
なにか楽しい話題はないかと(なぜか)GuardianやNew York Timesをうろうろしていて、je suis Charlieより前によく目にした言葉は、I can't breatheだった。2014年、立て続けに、警官による黒人の射殺事件が起こった。ニューヨークの事件は、その後の展開も含めて無意識によくNYTでチェックしていたようにおもう。I can't breatheという言葉は、エリック・ガーナーという黒人男性が警察官に後ろから腕で首を絞められて(chokehold、これ自体も問題化された)殺されたのだが、その「逮捕」の際に何度も口にして、そして亡くなる直前に最後に口にした言葉だったという。この事件では、いつものごとく、射殺した警官は無罪となった。この事件のあと、ジョージタウン大学のバスケ部が試合の際にこの言葉の入ったTシャツを着て黙とうをしたり、
Georgetown Hoyas wear 'I Can't Breathe' T-shirts - ESPN
公民権運動の映画『Selma』のプレミアに映画の出演者がTシャツを着て登場したり、もちろん抗議行動がおこったりした。
Can Big Data Help Build Trust in the Police? | RAND
そして、関連があるかどうかわからないけど、ニューヨークで警官が二人、パトロール中に殺されるという事件が起こり、その事件に言及した市長が、警察批判をしたために、警察が職務を放棄した(もちろん、ニューヨーク警察の署長は、警察官たちが職務を放棄していることを断固否定した)。のみならず、殺された警察官に弔辞を述べるNY市長のビル・デビラシオに背中を向けて、市長の警察批判に応じた。
The NY Police vs. the Mayor by Michael Greenberg | The New York Review of Books
楽しい話題を見つけて彷徨った挙句に見つけたニュースはとても醜悪なものだったわけだけど、ものすごい既視感のある一連の事件であったなとおもった。そういえば、
2008年にNASがUntitledのなかで
In America, you'll never be free
middle finger's up, fuck the police
と歌った曲の題名はBreatheだったなと、ぼんやりおもってしまった。
2015年期待のラップアルバム
guardianのcultureのページをチェックしたら、
2015年もっとも期待されるアルバム5枚が紹介されている。
http://www.theguardian.com/
カニエ・ウエスト(1977年、ジョージア州アトランタ生まれ)
ケンドリック・ラマー(1987年、コンプトン出身)
アール・スウェットシャツ(1994年、LA出身)
ルーペ・フィアスコ(1982年、シカゴ出身)
チャンス・ザ・ラッパー(1993年、シカゴ出身)
の5人の名前が挙げられて、次のアルバムが期待されると述べられる(生年と出身地は勝手に調べてみた)。
この顔ぶれのなかに、カニエが堂々と入っていることがすごいのか、カニエと並ぶ若いラッパーたちががすごいのか、よくわからないけど、オバマ就任式前のパフォーマンスでオバマ批判をやったというルーペ・フィアスコの700円でゲットできた2006年のアルバムは結構良かったので、最近出たばかりのものも期待ができそうな気がするし、オド・フューチャーは苦手だけど、オド・フューチャーから枝分かれ(?)のフランク・オーシャンやThe Internetはよかったので、ガーディアンでも一番才能のあるアーティストと紹介されているアール・スウェットシャツも気になるところだし、チャンス・ザ・ラッパーとケンドリック・ラマーは当然期待している。
個人的にはフランク・オーシャンの次も大いに気になる。
コンプトンといえば、N.W.Aの伝記映画ができたらしく、オフィシャル・トレイラーが公開されているんだけど、どうみたって、Ice cubeが本人にしか見えなくて、よく見つけてきたな、と感心してしまった。ところで、トレイラーのなかで、コンプトンはアメリカ一危険な場所だと出てくるんだけど、ほんとだろうか・・・?